超まじめな委員長が早漏を治すためにトレーニングしてくれる1週間【ぬるぬる動くアニメ付き!】

さわやかな風の音─

教室、窓際の席…
うつ伏せになり、気持ち良く眠りに落ちそうになっている俺の脇腹を
ふいに誰かがペンシルでつつき始める。

「あの」

聞こえてくる可憐な声…
聞いたことのある声だ…
…ああ、彼女か
同じクラスの後ろの席になった女子
眼鏡をかけてて、確か"本間紗季"とかいう…

「私の声、聞こえているんでしょう?」

…面倒くさい、無視していよう。

「…はぁ、そうですか。この期に及んで、狸寝入りというわけですね」

ガタガタと椅子を動かす音…
急に彼女の髪の毛が寝ている俺の頬に触れる。
なんとも、美人特有の、甘いような良い香りが鼻を擽る。

目を瞑っているが、彼女の顔が俺の顔の数センチ先にあることが分かる。
彼女の吐息が俺の耳に当たっている…近い。

「君の秘密…知っているんですから」

「早漏…君?」

俺は思いもしなかった言葉に目を開け彼女を見た。
彼女との距離は数センチ、彼女の眼鏡のフレームが俺の顔に当たりそうなほどに近かった。

…終わった、俺の人生。
このことをクラスの女子に広められたら俺は終わってしまう…。
これからの学園ライフを想像するだけで体中から血の気が引くのを感じた。
彼女は柔らかそうな唇をゆっくりと動かしながら小声で話し出した。

「君のことをバカにしようとか、そういうつもりではないですよ
むしろ、その逆です。…早漏なの、悩んでいるんですよね?」

「…でしたら、私が手伝ってあげますよ
早漏を治すトレーニング、一緒にしませんか?」

「放課後、図書室に来て下さい。
…あ。念のために言っておきますけど…無視して帰ろうとか、思わないで下さいね?
じゃないと…君の秘密、ばれちゃうかも」

「…では、必ず来て下さい。
私、待っていますから。…ふふ」

そう言い残し、彼女は教室の外に駆けていった。

…早漏の特訓?彼女と…?
思考が追い付かない。
俺は考えるのを止め窓から外を見つめた。

さわやかな風、木々がゆっくりと揺れ、教室に大きな影を作っている。
…不安と期待がぐちゃぐちゃに絡まり俺の胸を焦がしていく─…